大人が「この難しい曲を弾きたい」と思ったら?原曲・簡単アレンジの選び方

大人からでも大丈夫 — ポイント
- その曲を弾きたい気持ちと、現在の技術との差
- 曲の雰囲気を残した易しいアレンジ
- その技術を身につけるための短い曲や練習
- 本人のモチベーションを残しながら、無理な弾き方を増やさないこと
「この曲はまだ早いですか?」
大人のレッスンでは、
「この曲を弾きたいんですが、自分には難しすぎますよね?」
という相談があります。
有名な難曲。
昔から憧れていた曲。
映画や動画で聴いた曲。
私は、難しいという理由だけで、
「まだ無理です」
とすぐ却下する必要はないと思っています。
見るのは、
その曲を弾きたい気持ちと、現在の技術との差
です。
まず「その曲の何が好きなのか」を聞く
同じ「この曲を弾きたい」でも、理由は違います。
冒頭のメロディだけが好き。
サビを弾きたい。
曲全体を完成させたい。
原曲そのものに挑戦することが目標。
この違いによって、レッスンの進め方も変わります。
本人が何に一番魅力を感じているのかを知ることが最初です。
そのまま原曲で始めてもいい場合
技術的には少し難しくても、
「この曲だから練習したい」
という気持ちが非常に強く、
時間をかけて一曲へ向き合える人なら、そのまま原曲から始める場合があります。
ただし、一曲全部を最初から弾く必要はありません。
冒頭だけ。
右手だけ。
数小節だけ。
難しい場所を小さく分けながら進めます。
簡単なアレンジ版の方が楽しめる場合
原曲には、
大きな跳躍。
複雑な和音。
速いアルペジオ。
手へ負担が集中しやすい動き。
などが含まれている場合があります。
現在の技術では無理な力が入りやすいなら、
曲の雰囲気を残した易しいアレンジ
を使う方法があります。
目的は、
「簡単な曲へ格下げする」
ことではありません。
今の自分でも音楽として楽しめる形にすることです。
準備曲を先にやった方が早い場合もある
一方で、その曲の魅力そのものが高度な技術に依存している場合があります。
非常に速い動き。
複雑なリズム。
左右の高度な独立。
特定の奏法。
こうしたものがまだ身についていない場合、
何か月も難所だけで止まり続けるより、
その技術を身につけるための短い曲や練習
を先に行う方がよいことがあります。
「遠回り」ではなく、その曲への道を作る
準備曲を提案すると、
「弾きたい曲をやらせてもらえない」
と感じるかもしれません。
だから私は、
「まずこの曲をやりましょう」
ではなく、
「この部分を弾くために、この技術が必要です」
という形で説明します。
最終目的は変わっていません。
憧れの曲へ行くための道を作っているだけです。
大人は教材より「目的」から逆算していい
大人には、それぞれ明確な理由があります。
この一曲を弾きたい。
家族に聴かせたい。
昔諦めた曲へ挑戦したい。
その気持ちは大きな練習エネルギーになります。
だから、
基礎教材を全部終えてから好きな曲へ行く必要はありません。
好きな曲を中心に置きながら、必要な基礎だけ補うこともできます。
難曲への挑戦は「弾ける・弾けない」の二択ではない
原曲に挑戦する。
簡単なアレンジを使う。
準備曲を先にやる。
この三つは、どれが優れているというものではありません。
大切なのは、
本人のモチベーションを残しながら、無理な弾き方を増やさないこと
です。
エスポワール音楽院では、弾きたい曲を聞いたうえで、現在の技術や生活に合わせた進め方をご提案しています。


